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Friday, December 02, 2016

ダニエル・エルズバーグインタビュー「現在はキューバ危機以来の核戦争の危機」 Daniel Ellsberg Interview in Shukan Kinyobi (Nov. 25)

Daniel Ellsberg
Photo: Rick Carter 
『週刊金曜日』11月25日号から、当ブログ運営人・乗松聡子によるインタビュー記事を紹介する。

10月末、カリフォルニア州サンタ・バーバラで Nuclear Age Peace Foundation (核時代平和財団)によるシンポジウム「Fierce Urgency to Nuclear Zero」(切羽詰まった核兵器ゼロへの道)が開かれ、そこで元国防総省・国務省職員ダニエル・エルズバーグ氏にインタビューする機会を得た。

エルズバーグ氏は1971年、ランド研究所在籍中にベトナム戦争についての政府内部文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を新聞にリークし、米国のベトナム撤退の一因を作ったことで知られる。正義のために身の危険を省みず内部告発した「ウィッスル・ブローアー」として伝説的存在となり、近年「ウィキリークス」のジュリアン・アサンジ、元CIA職員のエドワード・スノウデンらにも影響を与えている。

エルズバーグ氏は核問題の専門家でもあり、今回も開口一番、「自分の人生は核戦争を起こさないという目的のために捧げてきた」と言いきった。戦後の核軍拡競争と核戦争の危機を見つめてきた氏がこのこのインタビューでも上述の会議でも何度も強調していたのが、「今世界はキューバ危機(1962年)以来の核戦争の危機にさらされている」ということだった。そして核戦争を本当に起こすリスクはドナルド・トランプよりもヒラリー・クリントンの方が高いと。

エルズバーグ氏は、オバマ大統領が核先制不使用を検討したことに対し核被害をよく知る日本が反対したことに大変な危惧を抱いていた。核兵器ゼロの目標は重要であるが、喫緊の核戦争のリスクを回避するにはまず、米国がロシアや他国に対し核先制攻撃の脅しを解くことであると強調した。

このインタビューは大統領選直前に行ったものだ。ロシアを悪魔視し核のボタンに手をかけていたクリントンではなくロシアとの親和を訴えていたトランプが当選したことにより米ロ核戦争の危機は回避されたと思っている人も少なくないが、トランプの政策は予測不能なところがあり予断は許されない。

85歳のエルズバーグ氏はインタビュー中、私を通してすべての日本人に伝えたいと言わんばかりの気迫で、つばがかかりそうな勢いで訴えてきた。「日本こそが米国に核先制不使用を求めるべきだ。安倍首相がどう言おうとも、日本の市民が立ち上がって行動すべきだ」と。

だから私は週刊金曜日の読者以外の人たちにもエルズバーグ氏のメッセージを広く伝えたいのだ。許可をもらって記事を下に張り付けたので、ぜひ読んで拡散してほしい。記事画像をクリックすれば大きく見られる。 乗松聡子

★エルズバーグ氏は核問題を中心とした回顧録をこのたび完成させた。その中には1960年代初頭に岩国沿岸に配備されていた核兵器についての詳しい記述もある。近日中に出版予定。






2 comments:

  1. 小林はるよ9:08 am

    このインタビューの中でエルスバーグが、今差し迫っている核戦争の危機を回避するためにはクリントンよりもトランプが「ましな選択」だったと言い切っていることがとても印象的でした。それから、反核を標榜する勢力は、アメリカがまず、核の先制不使用を宣言することを要求しなければならない、とりわけ、最初の被爆国になった日本は、アメリカにそれを要求しなければならないとも言い切っていることにも感銘を受けました。
     どちらも今のアメリカ、西側世界でこの主張をすることは、とても勇気のいることであることはよくわかります。その勇気の重さは、想像できないほどのものです。そのエルスバーグのところまでインタビューに行った乗松さんの勇気、判断にも敬意を表します。それから週間金曜日に連載されることになったことも、よかったと思います。初めてのことではないですか?
     おりしも、「マスコミに載らない海外記事」にF.W.Engdahlの「トランプ大統領と呼ばれる危険な欺瞞」という記事が訳されて、それには次期アメリカ大統領の人事の進行からみて、これまでのアメリカのネオコン勢力による世界戦略には少しの変更もあるまい、と、彼らが弱い環と見なしているロシアをとりこみ、中国とのあいだに楔をうちこんでいこうとするだろうと、世界の不安定化をこれまでどおり続けるだろうと書いてあり、また、落ち込んでしまいました。
     私も、トランプ大統領をよかったよかったと思ってはいませんが、、核戦争の危機が1日でも1か月でも回避できるのなら、トランプの当選をせめて願うしかないと思っていたうちの1人です。その先のことは、99%に属する人たちが決めなければならないことです。
     トランプ大統領が、アメリカの核先制不使用宣言をするようには思えませんが、核不使用不使用宣言をするようなことを言いながら、「同盟国」からの反対があったからという理由でヤーメタと言うオバマは、きわめて偽善的です。アメリカが先制不使用宣言をすれば、世界はたちどころにずっと平和な世界になります。ロシアも持っている、中国も持っている、というのは、偽善的、欺瞞的、不公平な見方だと、エルスバーグは言っていると思います。私もそう、思います。
     ところで日本が、アジア地域で、けっして先制攻撃をしないと宣言すればアジア地域はたちどころに平和な世界になります。日本の責任はほんとうはそこにあると私は思います。日本以外のアジアの国は、他国に侵略戦争をしかけたことはないのです。国境付近で揉めることはつねにあったでしょうが、海を越え、すでに他民族が暮らしている国、土地に侵略をしかけてきたのは、いわゆる、西側諸国です。
     

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  2. 落合栄一郎9:07 pm

    聡子さん、エルスバーグさんへのインタビューの記事ありがとうございます。まったく、彼の云うように、日本こそが、原爆を再び、人類の上に落とさないように、世界の人々の先頭に立って、運動すべきなのです。それなのに、アメリカに諂って、アメリカの云うことには反対を唱えないのは情けないです。今秋の国連総会での、核不拡散条約の強化にも、アメリカに気兼ねして、反対に廻るなど、まったく馬鹿げています。

     この「アメリカの核先制不使用」を提案したオバマは、共和党その他の反発が大きく、すぐ引っ込めてしまった。これは、大統領権限で、政令として発布できる類いのものかどうか知りませんが、できるならば、オバマの置き土産としてやってほしかった。

     トランプ政権では、彼の性格から、なにをやりだすかわからないが、なにかの拍子に、核使用をやりかねない。国防長官に「狂犬」を採用しているなど、本当に何をやりだすのか。その点では、ロシアとの確執心の強いクリントンもだが、彼女の方が、この点は、危険性が少し低いと思う。ただし、何れにしても、現在、核の危険性が高まっていることは事実。政治・外交問題もあるが、核を操作するコンピュータ−などのちょっとした不具合が、核発射に結び付く懸念は、非常に強いのです。ですから、「核先制不使用」も前提ではある(これは国家間の相互不信感を和らげる)が、核そのものの廃棄にいち早く進まねば、人類に未来はない。なお、私が、ここで「核」という場合、軍事的、平和的、両方の核の利用を意味している。

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