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Tuesday, March 21, 2017

宮古島女性市議への「いじめ」をやめさせ、市議を続けるよう応援します。Bullying against a Miyakojima City Assembly member must be stopped

今、離島の宮古島で起こっていることを知らせたく思います。

宮古島の石嶺香織市議は宮古島への陸自ミサイル部隊配備に反対する市民の民意を代表して、今年1月の補欠選で市議に当選しました。宮古島市では26人の市議会のうち、現在唯一の女性市議です。3月9日、カリフォルニアの海兵隊基地での陸上自衛隊が米国とのが「離島奪還」を想定した合同訓練で実弾射撃訓練をしているのを見て、フェースブックで、陸自が宮古に来たら「婦女暴行が絶対起こる」と書き込みました。それにたいし「炎上」が起こり、石嶺氏が謝罪と撤回を行った後も議会事務局に「辞めさせろ」といったメールや電話が多数来て業務に支障をきたしているとのこと。そして、20人の市議が3月21日辞職勧告決議を出し可決されるという異常事態になっています。(追記:下方、3月21日の石嶺市議による勧告拒否のスピーチを見てください)

私が3月16日「琉球新報」の「論壇」に出した記事を御覧ください。

ここで述べている通り、石嶺氏がいだいた恐怖は、陸自実戦部隊が来るかもしれない離島の一人の母親としての恐怖感が強く出たものでありますが、その恐怖自体は、自衛官による性暴力の頻発に照らし合わせれば根拠のないものではありません。強い表現で気を害した人たちのことを考え謝罪・撤回したのにさらなる攻撃が続き、辞職の重圧までかかるとはあまりにもアンフェアです。これは、自衛隊配備に反対する女性新人市議に対する「いじめ」だと思います。

これは「ニュース女子」問題など、一連の「沖縄ヘイト」の流れの中で捉えられる事件でもあります。石嶺議員のもとには、また宮古島市には、彼女に対する口にはできないような脅迫、誹謗中傷が多数届いています。福岡県行橋市の右翼市議が石嶺氏への制裁的な行動を、全国の右翼議員やネトウヨに対して扇動しています。ほかにも「炎上」を煽っている者たちがいます。

じゅうぶんに報道されていないことだと思いますので、ここでみなさんに支援をお願いする次第です。石嶺氏の支援者は、こう訴えています。
宮古島議員辞職勧告は議会事務局へ多くの「石嶺議員を辞めさせろ」という抗議の電話や約130通のメールが届き、業務が停滞したことから始まっています。電話は業務に支障をきたしますが、メールはプリントアウトされファイルされます。侮辱や汚い言葉では無く、「このようなことで市議が辞めさせられてはならない」と、丁寧な言葉で抗議のメールを全国から送って下さい。
https://www.city.miyakojima.lg.jp/inquiry/request.html
どうかみなさんからも上記のメールフォームを使って、宮古島市に対して、石嶺さんがこのような圧力で辞めさせられてはいけないというメールを早急に送ってください。

参考までに私が送ったメールはこれです:
宮古島市議の石嶺香織氏がFBで問題発言をしたということで誹謗中傷のメールや電話が議会事務局に殺到しているときいています。この人権侵害行為に対し、石嶺氏を守るのではなく市議会議員20人が辞職勧告決議案を出すというのは人権擁護とは反対方向の「いじめ」に近い行為です。「琉球新報」3月16日8面の「論壇」に私の投稿が載りました。ご覧ください。実際に自衛隊による性暴行が全国で頻発する中、石嶺氏の恐怖感は理解できるものであり、その表現の仕方が強すぎたことについて謝罪・撤回しているのだからこれ以上批判するのは行き過ぎであるという要旨で書きました。これについてはその通りだというコメントが多数来ており反論はひとつも来ていません。琉球新報編集部も、報道で伝えきれなかった側面をしっかり書いていると評価しています。市議会も、市議会事務局も、石嶺氏へのいじめ、言葉による暴力行為に対して人権の観点から毅然と対応してください。一議員がネット右翼による誹謗中傷で身の危険や議員としての立場に危機が及ぶようなことになったら、これは宮古島だけの問題ではなく、ネット右翼が騒げば民主主義は壊すことができてしまうという重大な禍根を残す一例となります。市議会と議会事務局が、石嶺氏を誹謗中傷脅迫から守り毅然とした対応をされることを期待します。

追記:3月21日、20人の宮古島市議による辞職勧告は賛成多数により決議されましたが石嶺市議は以下のように堂々たる「拒否宣言」をしました。
私の3月9日と10日のFacebookの投稿文に関して、私はすでに3月12日に謝罪文を出しています。これは私の個人的なFacebook上での発言ですので、Facebookで謝罪し、マスコミにも謝罪文を出しました。以下の文章です。 
「3月9日の私のFacebookへの投稿の文章は、事実に基づかない表現でした。お詫びして撤回いたします。申し訳ありませんでした。
今南西諸島には離島奪回作戦を想定した陸上自衛隊の配備が計画されています。
陸上自衛隊の水陸機動団は海兵隊から訓練を受けています。
また、沖縄本島では米軍による事件事故が多発しています。
米軍による事件事故が多発していることへの強い不安と、陸上自衛隊が海兵隊の訓練を受けていることを結びつけ、不適切な表現をしてしまいました。
私の不適切な発言により、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
2017年3月12日
宮古島市議会議員 石嶺かおり」 
また、私の発言により議会事務局や当局の業務に支障をきたし、ご迷惑をおかけしたことを加えてお詫びいたします。
今回の件について、議会が辞職勧告決議案を出すということは、不当であると考えます。私は、議会の場でこの発言をしたわけではありません。議会の外で発言し、すでに謝罪・撤回いたしました。また私は、非行・違法行為もしておりません。全ての議員が議会の外で発言したことに対して、謝罪・撤回しても、その発言の是非が辞職勧告の対象になるのでしょうか。宮古島市議会は、これまでそうでしたか。そしてこれからもそのようにするのですか。一人の議員の思想・信条に対し、他の議員が数の力で辞職勧告をするということは、とうてい議会制民主主義とは言えません。 
私は7637人の市民が選んでくださった議員であると自覚しています。決して議会が選んだ議員ではありません。
私は、「平和な未来といのちの水を子どもたちに手渡したい ミサイル新基地建設反対」という政策を掲げて、今回、市民の負託を受けました。
平和な未来をつくるため、ミサイル新基地建設を止めるために、これから精一杯頑張りたいと思います。
よって、私石嶺かおりは、辞職勧告を拒否いたします。

「議員が議員を辞職させることはできない」という、議会制民主主義の当たり前の原理を提示した立派な声明であったと思います。

ちなみに私の「論壇」には、「自衛隊の性暴力はそんなに起こっているのですか」という質問もありました。どうやら、メディアが米軍の犯罪は大変大きく扱うが自衛隊の犯罪はそうでもないことに原因があるよううです。仲間がクイックに検索したところ、この3月だけでも、強姦という凶悪犯罪を含めこれだけの事件が出てきました。

2017年3月7日
陸上自衛隊が強姦事件 屋外で女性に性的暴行を加える 久留米市
http://breaking-news.jp/2017/03/07/031137
2017年3月12日
16歳少女を官舎に、誘拐容疑で航空自衛官逮捕
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3006483.html
2017年3月11日
傷害容疑で自衛官逮捕 和歌山のスナックで女性巡りトラブル
http://www.sankei.com/west/news/170311/wst1703110041-n1.html
2017年3月11日
住居侵入容疑で自衛官逮捕 北海道・遠軽
http://www.nikkansports.com/general/news/1790583.html
2017年3月7日
「ピアノ見に来ない?」女子高生誘い、自宅で胸触る…容疑で陸自音楽隊員逮捕 熊本県警
http://www.sankei.com/west/news/170307/wst1703070082-n1.html

私の記事で紹介した、元自衛官の小西誠氏による著書『自衛隊 この国営ブラック企業: 隊内からの辞めたい 死にたいという悲鳴』(社会批評社、2014年)から、小西氏がFBで抜粋していた部分を紹介します。
 自衛隊員が関係する不祥事件、犯罪は相変わらず減らない。自衛隊と同様、実力組織である警察官の犯罪も減ることはないが、自衛官の犯罪の特徴は、やはりその当事者が幹部層へ拡大していることだ。
 最近の自衛官の不祥事=犯罪のいくつかを無作為に抽出してみよう。毎日のように起こっているが、以下がその新聞記事の要約だ。自衛官の事件を報道するのは、なぜか「産経新聞」と「毎日新聞」が多い(2014年の事件)。
*航空自衛隊春日基地(福岡県春日市)は23日、女性のスカート内を撮影したとして、航空システム通信隊所属の1等空尉の男性(51)を停職60日の懲戒処分(「読売新聞」6月24日)
*財布を盗んだ疑いで、陸曹長を処分、陸自久留米駐屯地(「毎日新聞」6月24日)
*海自で2人懲戒処分、容疑の1尉と技官―男性1尉は昨年3月、当時勤務していた護衛艦「さみだれ」の事務室で、同僚隊員の財布から現金6000円を盗んだとして、同7月に警務隊に窃盗容疑で検挙。一方、男性技官は12年6月、呉市内のパチンコ店で置き忘れてあった他人のプリペイドカード(9000円相当)を換金したとして、呉署に同容疑で検挙(「毎日新聞」6月24日) 
*土浦で1等陸尉、部下殴って停職1日(「毎日新聞」6月24日)
*陸士長が上司に暴行し停職16日、陸自神町駐屯地(「毎日新聞」6月24日)
*1等陸佐を停職処分、酔って女性投げ逮捕(「共同通信」7月11日)
*自衛隊千葉地方協力本部は15日、宴席で部下の女性に抱きつき写真撮影を強要したなどとして、40代の男性幹部自衛官を停職2日の懲戒処分にした(「千葉日報」7月16日)
*女子生徒にアダルトグッズを見せたとして、大宮署は15日、県迷惑行為防止条例違反の疑いで、上尾市、陸自大宮駐屯地所属の2等陸曹の男(42)を逮捕(「埼玉新聞」7月18日)
*陸自伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市)は28日、コンビニエンスストアで財布を盗んだとして、窃盗容疑で兵庫県警に検挙された中部方面隊中部方面通信群の40代の男性2等陸曹を、懲戒免職処分としたと発表(「産経新聞」7月28日)
*神奈川県警鎌倉署は4日、女性に乱暴したとして、強姦容疑で同県横須賀市、海上自衛隊横須賀教育隊の2等海士の少年(18)を逮捕(「スポーツ報知」8月5日)
*セクハラ担当が盗撮容疑、防衛省監察調査官を現行犯逮捕。千葉県警流山署は5日夜、駅で女性のスカート内を盗撮したとして県迷惑防止条例違反の疑いで、千葉県柏市十余二、防衛省監察調査官の2等空佐、片桐重崇容疑者(42)を現行犯逮捕した(「産経新聞」8月6日)
*女性隊員18人にわいせつの1等陸曹を停職―陸自下志津駐屯地(千葉市若葉区)は26日、指導中に女性隊員計18人にわいせつや暴行行為をしたとして、高射教導隊の男性1等陸曹(51)を停職60日の懲戒処分としたと明らかにした(「毎日新聞」8月26日)
 ここに掲載したのは、この2カ月ほどの事件の一部であるが、盗撮、窃盗、暴行、猥褻行為、強姦など、何でもありだ。
 そして、繰りかえすが、明らかに尉官以上の2佐・1佐などの高級幹部の不祥事=犯罪が目立つのである。この傾向は、ここ10数年の自衛隊の不祥事の特徴であると言われている。防衛省・自衛隊でも、この対策を一段と強化しているのだが、不祥事は一向に減らないのだ。
 2013年8月7日付の、防衛省防衛監察本部による「平成24年度定期防衛監察の結果について」という報告書は、以下のようにいう。
 「近年、部隊内で幹部自衛官による服務事故が生起しているにもかかわらず、幹部自衛官は高い識見を有しており、特に服務事故防止教育を行う必要はないとの理由により、幹部自衛官に対する計画的な服務事故防止教育を行っていなかった。……12年4月に幹部及び幹部候補生の精神教育についての通達を発簡し、幹部自衛官の各課程教育に精神教育の項目を新設し、所要の教育を実施しているところ……また、12年4月から連隊長等への補職予定者に対する補職前教育、各級指揮官会議、各部隊の幕僚会同等における精神教育の推進を図っており、今後も充実させていく」(傍点は筆者)
 つまり、訓育・精神教育を部下隊員たちに行う立場の、幹部自衛官にこそ、「精神教育」が必要になってきたというわけだ。
 巻末に自衛隊内の服務事故による懲戒処分の統計を掲載する。全体の件数は、毎年1千200から1千300件前後と変わらないが、問題は幹部自衛官たちによるこの不祥事=犯罪事件の爆発的増大こそ、現在の自衛隊の最大の危機なのである。
(以上抜粋)

これらを見ると、石嶺氏が表現した恐怖感は決して根拠のないものではないことがわかります。

3月22日『沖縄タイムス』の「論壇」には、宮古島市の斎藤美喜氏の記事「軍隊の本質 検証が必要 - 宮古島市議に過剰な圧力」が出ていますが、斎藤氏のこの見方:
南西諸島にミサイルが配備された際の標的になる危険性、騒音、地下水汚染、さまざまな不安があるが、日々の暮らしの中で、小さい者、弱い者が犠牲になること、おびえながら暮らすことこそ防がなければならない。その危機感をそのまま口に出してしまった市議を過剰に責め立て失職を迫るやり方は、弱者を封じ込めようとするものであり、危険だ。
に賛成します。石嶺氏が重圧や脅迫に負けず、自分を選んだ市民のために仕事を続けられるように応援していきたいと思います。@PeacePhilosophy 


宮古島陸自配備に反対する女性市議発言への行き過ぎた批判はおかしい:「琉球新報」論壇 Excessive criticism against a Miyakojima City Assembly member who opposes GSDF deployment

『琉球新報』3月16日8面オピニオン欄「論壇」に掲載された記事を紹介します。読んでください。
琉球新報社提供
参考記事:
宮古島女性市議への「いじめ」をやめさせ、市議を続けるよう応援します。


Friday, March 17, 2017

山城博治さんら3人の初公判メモ(仲宗根勇)Notes from the first court hearing with Okinawa activists Yamashiro, Inaba, and Soeda

追記:山城博治さん釈放の報せが入っています。

山城博治議長、5カ月ぶり保釈決定 福岡高裁が地検抗告退ける
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-463257.html

3月17日那覇地裁で開かれた山城博治さんらの初公判、元裁判官の仲宗根勇氏がフェースブックで公開した傍聴メモをここに紹介します。報道などできいたときのイメージと全然違うと思うのでしっかり読んでください。(これまでの経緯は「AERA」昨年12月19日に掲載された渡辺豪氏の記事、3月7日のローレンス・レペタ氏の毎日新聞の記事などを参照。)

山城議長らの那覇地裁での初回公判(2017.3.17)傍聴メモ

「山城博治さんたちの即時釈放を求める会」共同代表 仲宗根 勇

 (起訴状に対する認否)

 山城博治の弁論:5か月にわたる勾留と接見禁止のもとで、厚いガラスごしに弁護士としか話せず、裁判に臨む意見交換も準備もできない不当な処遇に憤りを表明する。新基地を作らさないという沖縄の戦いは不滅であり不屈である。沖縄は権力による不当な弾圧には決して屈しないであろう。
 
 起訴状記載の傷害・公務執行妨害の点について:沖縄防衛局の作業は違法なものであり、保護に値する正当な公務ではない。わたしは暴行もしてないのでしたがって傷害も与えていない。また、他との共謀の事実もない。高江における警察官の暴徒化はひどいものであった。
 
 起訴状記載の威力業務妨害罪の点について:ブロックを積んだことは争わない。しかし、これは本土から派遣された機動隊のあまりに過剰な違法警備・暴力が始まったために止むを得ず行った、憲法で保障された表現行為である。1月28日から30日までの特定の日の行為を切り取って起訴したことも納得できないし、ブロックは「威力」にあたらず、ブロックは機動隊が片付けた後、工事車両はゲート内に入っており、沖縄防衛局の業務の妨害もしていなかった。
 
起訴状記載の器物損壊の点について:線を切ったことは争わない。

 稲葉博の弁論:名護署や検察官の取り調べで「お前たちは基地反対なら何をしてもいいのか」と何度も言われた。「何をしてもいいのか」とは政府に対して言うべき言葉だと思う。全ての選挙で「オール沖縄」の新基地反対候補が勝利し沖縄の反対の民意ははっきりしました。しかし、政府は工事を問答無用で強行しました。わたしはヨーロッパで長く暮らしたこともありますが、こんなことは沖縄以外ではありません。日本は本当に民主主義国と言えるのか。

 ブロックを積んだ前年は海上保安官のカヌーや抗議船への暴力はひどいものでした。海保のボートに引きずりあげ首を絞めたり海に落とされたり映画監督が馬乗りされたりしました。

 機動隊が本土から来た2015年11月頃からの暴力の無法ぶりは激しさを増し、たくさんの人があばら骨を折られたり、けが人が多数救急車で搬送されたりしました。機動隊の指揮者が我々のことを「犯罪者」呼ばわりもしました。機動隊に一日になんども排除されて、椅子がわりのブロックをだれかが置いて参加者全体が置き始めた。1個では安いブロックは全国からも高い郵送料を払って送られて来ました。工事を少しでも遅らそうと参加者みんなが積み上げたのです。

 このブロック、つまり石は我々の抗議の意思です。このようなことは沖縄だけにおいて起こっている。沖縄に民主主義はないのか。
正義は我々にあります。

 国には4つの大罪があると思う。
 一つ目は民主主義、地方自治を踏みつけて基地建設をを強行して いること
 二つ目は沖縄の生活環境を破壊していること、ヘリの爆音やオスプレイの墜落などではっきりしています。
 三つ目は自然環境の破壊行為です。大浦湾の多様性に富んだ海の 生態系を壊す危険やサンゴ、やジュゴンへの影響は明らかです。
 四つ目は作ろうとしているものが、200年の半永久的な戦争のための軍事基地ということです。

添田さんの弁論:起訴状記載の傷害・公務執行妨害の点について

 わたしは、そのような行為は一切しておりません。

(なお、添田さんについての事件は分離された。山城さんたちの事件とは別個に審理されることになる)

(以上)

このブログの関連記事
山城博治さんたちの即時釈放を求める決議
2月24日那覇で、違法勾留が続いている山城博治さんらを解放させるための集会
国際声明:沖縄・名護署で警察に50日以上も勾留されている山城博治氏を釈放せよ!


Saturday, March 11, 2017

原発事故6年経過にあたって:矢ケ崎克馬 6 Years After Fukushima Nuclear Disaster: Katsuma YAGASAKI

「311」6周年です。琉球大学名誉教授の矢ケ崎克馬氏が、3月11日、那覇市立牧志駅前ほしぞら公民館で行った講演の内容を紹介します。これと同様の内容の記事が、『琉球新報』文化面で、3月9日、10日2回にわたって連載されました。


原発事故6年経過に当たって

矢ケ崎克馬

原発事故以来6年。故郷の復興は被災者にとって切実な願いです。現在「原子力緊急事態宣言」が解かれない(高線量である)まま「復興」「帰還」が進められています。「避難指示解除区域」「居住制限区域」等が次々と解除され、指示区域外避難者(自主避難者)の避難を保証する住宅無償提供がこの3月で打ち切られます。復興のために放射能について語ることを「風評被害」とし、「食べて応援(農水省)」の大合唱が行われています。反面、放射能による健康被害は公的データとしては「一切ない」ことにされています。

この6年間の事故関連の事態の進み方をどのようにとらえるべきでしょうか?

事実を正直に伝え、「一人一人を大切にする」民主主義の政治・行政がどのように展開したでしょうか?


避難者のみなさんへ

避難者の皆さん
お元気ですか?
もうすぐ3.11六周年です。

皆さん、
たくさん苦労されましたね。
良く頑張りましたね。
本当にお疲れ様でした。

女性を中心として「命を守るため」の避難行動が、日本を変える力を育てつつあります。勿論男性も同じです。

政治的系列に従うのではなく、市民本位の新しいタイプの市民運動が生まれました。例えば毎週金曜日行動など、今も継続しています。オールXXというような課題に応じた市民中心の組織も生まれました。政策で一致する野党連合もつい最近35年ぶりに活力を取り戻しました。
自分の意志を自分で決める、新しい日本を導く原動力が働くから貴重です。

スピーディー(注:SPEEDI=緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を隠し、安定ヨウ素剤の投与を「パニックを招く」と中止し、「ただちに健康被害は出ません」、「100ミリシーベルト以下は、健康被害はありせん」、「100ベクレル/キログラムは安全です」等々と、避難させまいとする保革勢力の大合唱の中を、皆さんは避難を毅然として決意しました。

命を守るために自らがきっちりと結論を出し、避難に踏み切ったのです。

これはものすごい決断でした。いろいろなしがらみや経済事情や意見の不一致などがありました。

生活基盤を投げ捨てなければならなかった。家族も友達も地域も、絆を断ち切らなければならなかった。

そんな状況で命を守ることをしなければならなかった。それを自らの力でやり切った。その状況の中での決断の勇気に敬意を称します。命を守るための選択を自らの意志として決めたのです。

日本の夜明けを呼び覚ます本当に価値ある決断だったと思います。特に女性にとって周囲を押し切って行動する障壁はとても高かったと思います。女性の社会的地位をジェンダーギャップ指数に見ると、144ヶ国中、日本は111位です。この環境の中で良くやり切ったものです。

残留された方々も耐え難い苦渋をなめられたと思います。国が、「出費のかさむ避難」は許そうとしないで、年間20ミリシーベルトまでの重汚染地域内に留めた人々の内部被曝軽減の措置もしませんでした。

代わりに「安全」大合唱と「科学的に100ミリシーべルト以下は被害が無い」と、ICRP(国際放射線防護委員会)さえ言わない嘘まで大宣伝。「風評被害:放射能を語ること」を社会的に禁止してしまいました。

国が行う「国の都合の良い」支配に従うことは多くの苦痛を生みます。健康被害も生活維持も自己責任とされる中で、避難の願望も「絆」で覆われ、避難した人たちとの軋轢も生まれました。

今「帰還」「復興」の掛け声の中で長期的な被曝がますます気になります。

住民同士の「ぬちどぅ宝」の共通理解を作り出しながら、支え合う生き方ができ、国の棄民策を排除する力を作り上げる課題が残ります。

フクシマは「知られざる核戦争(矢ヶ崎克馬命名。核の被害隠しのために権力が民衆に対して行う戦争のこと:欧州放射線リスク委員会によれば7千万人の犠牲者が隠蔽されている)」の戦争遂行の真っただ中です。政治権力が住民の「大地を守る」「故郷を守る」悲願を利用して、「核の被害隠し」の核戦争を強行しています。棄民そのもの。その様相は「大東亜戦争」遂行の社会再現。「革新」政党と呼ばれている政党すら放射能能公害には目をつむり一言も言及しません。報道陣の統制も徹底されています。「復興」「風評被害」「食べて応援」一辺倒。まさに挙国一致です。昔の「お国の為に命を捧げます」は、今は「復興の為に犠牲はやむを得ない」。人と人が支え合う『絆』は、弱音監視、異端の排除に道を開きます。戦争のできる美しい国、国に従う美しい民を作り出すのが「知られざる核戦争」の目標であり成果なのです。

そんな中で、住民は命を守らなければならないのです。その願いを捨てさせてしまえばまさに「大東亜戦争の再現」です。

美しい故郷。懐かしいふるさと。
帰りたい。でも帰れない。

耐え抜いて、生き抜いて、ちゃんと人権を主張して。
棄民政策を打ち破るしかない。
逞しくいきましょう。


健康被害とそれを認知させまいとする政治

放射能についての基本的視点に絞り6年を振り返りたいと思います。

ーー放射能の影響としての健康被害はなかったのか?(事実確認)
「ただちに健康への影響は出ません」、「100ミリシーベルト以下の健康被害は他の健康被害に隠されてしまい、認められていません」等々の大宣伝がなされました。本当でしょうか?

(A)小児甲状腺がん
まず、福島県の小児甲状腺がんについて検討します。2017年2月20日に公表された最新の福島県民健康調査報告書によるとがん罹患者は合計184人になりました。

相変わらず「事故との関係は認められていません」という見解が発表されています。事故との関係はないという見解にはいくつかの理由が挙げられています。

①「潜伏期間が短すぎる」
米国立科学アカデミーによれば、小児甲状腺がんの最短潜伏期間は1年とされます。潜伏期間が4年としても半数は4年より短期で確率的に現れるものです。福島県内の小児甲状腺がんの発生は決して短過ぎることはありません。

②「チェルノブイリとフクシマでは被曝線量が違い過ぎる」
日本では放射線医学総合研究所が行った空間線量率測定用の簡易サーベイメータによる、1080 人のデータがもとになっています。この測定方法では科学的に甲状腺被曝線量を測定したとは認められないもので、福島は線量が低いということさえ根拠がありません。ウクライナでは約13 万人の子供が甲状腺の直接測定を受けているのと対照的です。日本では100ミリシーベルト以下は障害が現れないと神話を作り出し、前記のずさんなデータがすべて100ミリシーベルト以下であるのを根拠としています。しかしウクライナの小児甲状腺がんの半数以上(51.3%)が100ミリシーベルト以下であるという事実も、日本の方が被曝線量が低いという根拠を否定しています。

③「スクリーニング効果で普通なら発見されない潜在がん患者を見つけている」
そのように主張した山下俊一氏は自らの調査結果に反する「虚言」を弄しているのです。彼自身の調査によると、チェルノブイリ事故の時に生まれていた小児と、事故後に生まれた小児、それぞれ1万人ほどをスクリーニング調査した結果、甲状腺がんの患者が前者では31人、放射性ヨウ素で被曝していない子供はスクリーニングしても患者はゼロだったことを報告しています(1998年)。この結果は福島のがん患者発見がスクリーニング効果だということを完全に否定しています。

さらに、性差でも事故の影響を裏付けられます。自然発生の甲状腺がんは女性の方が男性より5倍程度多いのに対してチェルノブイリも福島も2倍以下の比率です。性差について私の解析では、放射線起因要素がおよそ4分の3以上の比率であることが結論付けられます。男女比は放射線によるがん発生であることを裏付けています。

また、世界の学会では福島の甲状腺がんが異常多発であることを認めています。

以上、科学的には事故との関わりが十分示されています。誠実な行政であるならば、予防医学的な観点から日本の全小児を対象に検査と治療を国と企業の責任で行うべきです。

(B)厚労省の疾病別死亡統計
全疾病中2010年以前の経年変化を基準として、2011年以降の死亡数が増加している疾病の数はほぼ40%です。特に精神神経科関係ではアルツハイマー、認知症が著しい増加を示しています(図1)。
図1
脳細胞や神経細胞は新陳代謝の無い組織として知られていますが、放射線に当たり電離(組織の切断)を受け、病状が悪化し死にいたったと理解できます。年あたりの増加率は2015年で28%が予想より増加しています。この事実は事故などの多くの社会現象と関連していると見なせます。厚労省人口動態調査の異常減(年十数万人異常減少)も恐ろしい数値です。

(C)病院患者数の異常増加
患者数の異常増加が各種統計で示されます。日本難病情報センターのデータでは2011年以降患者数は加速的に増加しています。また、東京都の病院患者数はそれ以前に比べて2011年は飛躍的に増加しています。2011年以降の手術数の増加も各種統計で確認されます。

(D)健康が維持できる汚染基準
事故前の食材の汚染状況は米、根菜、牛乳、水がいずれも0.012以下、魚類が0.09(ベクレル/キログラム)です(図2)。
図2
今の流制限基準が100で健康が維持できる基準ではありません。この基準で全国的な健康被害が事故後異常に増加したのです。残念ながら、強度な初期土壌汚染の有った地域の陸・水の産物には今なお広範囲に汚染が認められます。
チェルノブイリ事故では6年経過後に各種の健康被害が急増しています。

「ぬちどぅ宝」を貫くには今後もずっと日常の食材選びが不可欠です。


原子力緊急事態宣言

事故直後に原子力緊急事態宣言が発せられています。その実態と背後にある国際「核」ロビー、およびアベノミクスの無謀な核産業存続のための最稼働・原発輸出、東芝核部門の破たん等について論じます。また、原子力緊急事態宣言下の事故処理と、背後にある国際原子力ロビーの功利主義的哲学とアベノミクス核産業維持の無謀さを説きます。

現在日本は「原子力緊急事態宣言」の下にあります。緊急事態宣言の目的は「原子力災害の拡大を防止する」ですが、現実は真反対の施策が強行されました。住民と環境を保護する一切の法律が無視されました。国と原子力産業の都合の良いままに基準を設定した「反人権」の実施体制です。


緊急事態宣言

(A)人格権を無視
法律では公衆の被曝限度は年間1ミリシーベルトです。しかし年間20ミリシーベルトが基準とされました。避難の権利も認めず、「風評被害」、「食べて応援」で全国民強制被曝の体制です。

(B)環境保護
法律では核廃棄物再利用基準は100ベクレル/㎏だったものを、8000ベクレル/㎏とされました。この基準で除染土等を公共事業に回せ、と政府が放射能拡散を強制します。

(C)メルトダウンした炉心処理(原子力災害拡大防止の根幹)
メルトダウンの核燃料封じ込めに対しては全くお手上げです。強烈な放射能が存在するなど初めからわかり切ったことでしたが、「安上がり」な手立てを繰り返し、費用を増大させています。未だに炉心の放射能物質は空中に、水中に、海に、垂れ流されっぱなしで環境を破壊し続けます。石棺という言葉さえ禁止状態です。チェルノブイリでは7か月後に石棺で事故原子炉を封じ込めました。

(D)放射能汚染に対する数値操作
①放射能汚染の公式データであるモニタリングポストの表示値は実際の52%しかありません。②土壌汚染を反映した吸収線量等は人の行動と無関係に「環境量」として示すべき量です。ところが、人が屋内・屋外時間を仮定した「生活依存量」に変えられ、環境汚染値の60%しか計上しない数値処理が徹底しています。上述①、②の操作によりわずか約30%にしかならない値が汚染を示す公式被曝線量とされます。さらに架空の線量である「実効線量」などにより過小評価の数値操作がなされました。
チェルノブイリ周辺国はくまなく初期土壌汚染測定を致しましたが、日本は土壌の初期汚染マップすら作らずに放射能影響を福島だけに限定しました。


国際原子力ロビー 

(A)国際原子力機関(IAEA)
核支配体制維持の国連重要機関IAEAはチェルノブイリ事故の時に、周辺国が行った巨大な財政支出を伴う住民の放射能からの保護(チェルノブイリ法)や、放射能に関する「情報統制」と医師や専門家の「権力的統制」に失敗したことを反省しています(1996年IAEA会議)。避難させるな、報道を統制せよ、健康被害を認めるな、がそれ以後の事故が起きた場合の処理基準とされました。そのためにIAEAは福島に事務所を開設しました。

(B)国際放射線防護委員会(ICRP)
原子力緊急事態宣言の内容に国際的「認可」を与え、全面的棄民の指令を出すのはICRPです。

ICRPは防護3原則の第1原則に「正当化」をうたいます。「活動が、害よりも大きな便益をもたらす」時にその活動が正当化される、という内容です。「原子力発電は、人を殺しても良い」と正面切って開き直っているのです。原子力産業は倫理的にも民主主義否定を公認させているまさに「特殊産業」です。

ICRPはチェルノブイリの反省の上に〝次に原発事故が起きたらこうしなければならない〟という功利主義に基づく事故管理指針を完成させました(2007年勧告)。

2007年以前の被曝状況は「線量拘束値」(被曝限度値)は年間1ミリシーベルトの「計画被ばく状況」だけでした。

これを2007年勧告で、「緊急被曝状況」(事故などが生じた際の被曝状況)と「現存被曝状況」(事故後の被曝状況)を追加し、「参考レベル」(被曝限度線量)として年間20ミリシーベルトから100ミリシーベルトの被曝線量を勧告しました。事故に際しては大量被ばくを住民に押し付ける「国際基準」を立案したものです。これが原子力緊急事態宣言の基本指針となりました。


核産業の崩壊過程

原発事故の影響と根強い反原発運動の全世界的な発展によって核産業の未来が閉ざされてきています。各国の原発依存も減少の一路をたどっています。

米国では1979年のスリーマイル島事故以降、約30年間、新設がありませんでした。世界のプラントメーカーは半減しています。最近ウラン濃縮工場も倒産しました。

東芝は福島第一原発事故の責任主体(2号機、3号機政策)です。事故原因の解明すら途上である状態で、原発推進を止めず無謀な核固執政策で破たんしています。政府は原発メーカー救済のための危険な原発再稼働と原発輸出は止めるべきです


今必要な対策

1. 原子力緊急事態宣言を解除し、法律どおりの健康と環境保護を実施させる。移住の権利を認め生活の場を自主的に選ぶ経済的保障を行う。
汚染地住民保護の保養、非汚染食料の給与等を政府の責任で行う。
正確な情報を誠実に住民に伝える。

2. 住民本位の予防医学的立場で健康診断と適切な治療を保証する。

3. ICRPなどの棄民を原理とする体系から離脱し、放射線被曝の誠実な科学と最新のデータに基づき、放射線防護対策を根本から見直す。
食料汚染基準を事故前の汚染状態:0.1ベクレル/㎏以下を基準視点として設定する。

4. これ以上の被曝を避ける。市民は毎日の食材による内部被曝を防ぐ努力をする。

5. 一人一人の人格権を保証する誠実な判断から核兵器と原発は廃止する。原発産業救済のための無謀な原発再稼働と原発輸出を止めさせる。


*沖縄に於ける避難者の援助
私どもは「つなごう命の会:原発事故避難者に公的支援を求める会」で避難者支援を「原発事故被災者に人権の光を」をスローガンに掲げ、沖縄県支援団体等に訴えてまいりました。沖縄県は避難者受け入れ先としては日本で初めて、指定区域外避難者の沖縄継続避難者全員に対して、家賃補助の予算を次年度予算案に計上いたしました。沖縄県の英断に感謝いたします。また沖縄東日本大震災支援協力会は、沖縄独自の支援「ニライカナイカード」は終止いたしますがその代わりに全世帯に商品券をサービスいたします。民医連、医療生協は沖縄協同病院で「医療費の窓口支払いゼロ」と「避難者健診」を行ってくださっていましたが、来年度も継続してくださること決定してくれました。
皆様のご支援と諸組織のご支援に感謝いたします。

やがさき・かつま
1943年生まれ。長野県出身。琉球大学名誉教授。専門は物性物理学。「つなごう命の会・原発事故避難者に公的視点を求める会」代表。著書「隠された被曝」など。

関連投稿
矢ケ崎克馬「隠される内部被曝―福島原発事故の実相」(2016年6月9日)

Asia-Pacific Journal: Japan Focus
Yagasaki Katsuma: Internal Exposure Concealed: The True State of the Fukushima Nuclear Power Plant Accident

Friday, March 10, 2017

Film "Okinawa: The Afterburn" screening in Lethbridge, Alberta on April 8 カナダ・アルバータ州レスブリッジで『沖縄 うりずんの雨』上映

John Junkerman's award-winning film Okinawa: The Afterburn will be shown in Lethbridge, Alberta, Canada, on April 8. See the poster below. Please spread the word! カナダ・アルバータ州のレスブリッジ市で、ジャン・ユンカーマン監督『沖縄 うりずんの雨』が4月8日に上映されます。





Here is the trailor. 

沖縄タイムス【辺野古 ただちに埋立承認撤回を】(上)(下)掲載

『沖縄タイムス』に3月1,2日掲載された記事へのリンクを記します。

【辺野古 ただちに埋立承認撤回を】(上)
翁長知事訪米の効果見いだせず 米議会報告書は重大な理解不足
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/87606

【辺野古 ただちに埋立承認撤回を】(下)
県民投票にメリットなし 新基地阻止は知事権限で
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/87608

Monday, March 06, 2017

山城博治さんたちの即時釈放を求める決議 Calling for Immediate Release of 3 Okinawan Activists including Yamashiro Hiroji

2月24日、長期不当勾留が続いている山城博治さんら、沖縄で新基地反対の運動をしていた3人の即時釈放を求める集会に約2000人が結集した。そのときの決議文が「週刊 法律新聞」(3月10日号)に載りました。

このときの様子を大袈裟太郎さんがフェースブックで報告しています。許可を得て転載します。
本日、那覇地裁前で行われた
「長期勾留中の3人の即時解放を要求する大集結大会」
集まった2000人が那覇地裁を取り囲み、
博治を返せ!高橋さん返せ!稲葉さん返せ!と、
群衆が地裁前に雪崩れ込みました。
ものすごい熱気でした。
必死で門を閉めようとする職員たちを、
丁寧に説得するしいじゃーたちの姿に胸を打たれました。
「うちなーんちゅの心は金で売らんど!」の声に、
涙が出ました。
みんなで歌を歌いました。
大合唱でした。
拘置所は地裁のすぐ裏なので、確実にこの声は届いています。
そして集会での仲宗根勇さんの弁舌の鋭さ!
照屋寛徳議員の
「今までは博治の存在が皆をつないでいた、
今は博治の不在が皆をつないでいる」
という言葉に大歓声が沸き起こりました。
沖縄の人々の切実な想いを肌で感じ、胸が熱く熱くなりました。
この半年で出会ってきたたくさんの顔、顔、顔が、
躍動していました。
熱気は国際通りへと続いていきました。
一揆を体験したような興奮が、
まだ冷めずに、胸中で燃え続けています。
燃え尽きぬ炎を胸のなかに宿してもらった気がします。
これからもちばりましょー!
中継映像はこちらから見られます↓

http://twitcasting.tv/oogesatarou/movie/350216960

太郎さんによる当日の写真。地裁に2000人がなだれこむ様子は映像でも見られます。






報道によると博治さんら3人の初公判は3月17日に開かれるとのこと(第二回は27日、第三回は4月17日)。これまでに釈放を請求してもすべて却下されている。証拠隠滅も逃亡の心配もない人を勾留し続ける不当を訴え続けなければいけない。そして運動のリーダーを、微罪で逮捕し独房に勾留し続け家族とも会わせないという拷問的な勾留をすることによって運動自体を抑圧しようとする国家の不正をやめさせなければいけない。 @PeacePhilosophy 


Sunday, February 26, 2017

知られざるカナダ兵日本軍捕虜の歴史-『週刊金曜日』より An Interview with Gerry Gerrard, a Canadian Hong Kong veteran (Weekly Kinyobi)

昨年10月、アジア太平洋戦争開戦時の香港戦に参戦したカナダ兵の一人であったジェリー・ジェラード氏にインタビューする機会を得ました。『週刊金曜日』2月10、17日に掲載されましたのでここで紹介します。







Thursday, February 23, 2017

2月24日那覇で、違法勾留が続いている山城博治さんらを解放させるための集会 A big rally to demand release of political prisoner Yamashiro Hiroji - Naha, February 24

2月23日『琉球新報』に載った元裁判官・仲宗根勇氏の『論壇』です。沖縄で基地建設反対運動を率いてきた山城博治氏の違法逮捕・違法勾留の経緯を記しています。山城氏の勾留は4カ月以上続いており、接見禁止がついているので弁護士以外の人には会えません。私は1月30日、勾留されているもう二人のうちの一人、稲葉博さんに面会してきました。稲葉さんによると、接見禁止ではないので平日は支持者が交代で面会に来ているようで(一日二回まで)すが、週末は面会がないのでほぼ一日中独房の中で一人で過ごすこととなり、本を読むことは許されているが人との交流がないので気がおかしくなりそうになると言っていました。とくに三連休のときは辛いと。これを聞いて、博治さんのことをおもいました。博治さんは、稲葉さんのように平日支持者が面会に来ることさえ許されないのです。家族にも会わせてもらえません。稲葉さんが、「気がおかしくなる」と言っていた状態が毎日続いているのです。博治さんは大病を患った後の勾留について多くの批判がされていますが、それに加え、接見禁止がかかった長期勾留が心理的にもたらす影響のことを思うといてもたってもいられなくなります。自分だったらほぼ常時独房で人と人とのコミュニケーションをはく奪された状態で、一週間ももたないと思います。山城さんの即刻解放を!

今日(沖縄時間で24日)、那覇で博治さんらを取り戻すための大集会が開かれます。この仲宗根さんの「論壇」を読んでください。


私はこの集会に行くことはできないのでメッセージを送りました。
2013年、スイス・ジュネーブで開かれた国連拷問禁止委員会において、日本の刑事司法の在り方が、「中世的だ」と委員の一人が言いました。それに対し日本の上田人権人道大使が「日本はその分野(刑事司法)では世界でもっとも先進的な国の一つだ」と言い、それに対し日本のNGOの人たちが苦笑したところ、上田大使は「笑うな!シャラップ(黙れ!)!」と逆ギレした姿はネットで拡散され有名な逸話となっています。今、山城博治さんや稲葉博さんらの非人道的な勾留が続いているなかで、このとき国連が「中世的」と言ったのはその通りだったのだなと実感しています。「人権人道大使」とかいうたいそうな肩書を持つ日本政府代表者が「シャラップ!」と言って本当のことを言う人を威嚇したことは、山城さんらの運動を黙らせるために日本の警察と検察と裁判所が結託して沖縄の市民運動自体を「シャラップ」させようとしていることと重なります。
裁判所へ!世界は見ています。山城さんをほぼ常時独房に監禁して人間同士の触れ合いをさせないのは拷問です!裁判所は拷問をやめてください!いつまで「中世」にとどまるつもりですか。山城さんたちを解放しなさい!
@PeacePhilosophy 乗松聡子

関連投稿:
山城博治氏らの釈放を求める国際声明

アムネスティーインターナショナル(日本)のページ:
山城博治さんの速やかな釈放を求める

Monday, February 20, 2017

カナダ・オンタリオ州議会の「南京大虐殺を記念する日」制定への日系人団体の反対に対する日系人の批判 Criticism from within Japanese Canadian communities against Japanese Canadian groups' opposition of Ontario's Bill 79, An Act to Proclaim the Nanjing Massacre Commemorative Day

カナダ・オンタリオ州の州議会で昨年12月5日、毎年12月13日を「南京大虐殺を記念する日」として制定する法案が州議会議員スー・ウォング氏によって提出されました。「南京大虐殺記念日を宣言する法案」(Bill 79)である。この法案はオンタリオ州HPにあります。

この法案は、アジア側の第二次世界大戦については広島・長崎の原爆投下は特によく知られているのに比べ、南京大虐殺をはじめとするアジアにおける残虐行為の数々についてはオンタリオ州において十分に知られていないので、このような歴史を学び教訓を得る重要性を強調しています。オンタリオ州はカナダの最大都市トロントや首都オタワのある州、人口はカナダ最大(約1400万人ーカナダ全体では約3600万人)、アジア系住民も一番多い州(約260万人)です。オンタリオ州住民の中には、南京大虐殺に直接影響を受けた人々もいるとも指摘します。日本の占領下で20万人以上の中国の民間人と兵士が無差別に殺された事件の被害者に思いを馳せ記憶するために、12月13日を「南京大虐殺を記念する日」として制定する、とする法案なのです。

世界各地での、日本軍「慰安婦」を記憶するための碑や像には産経新聞、ナデシコアクションといった歴史を否定する勢力や日本政府自身が反対したり反対を促進したりしてきているが、今回も、こういった勢力は日本からたくさんの苦情を送ろうといった運動を起こしているようです。「南京大虐殺はなかった」とか、慰安婦に「強制がなかった」とか、日本でしか言われていないようなガラパゴス的歴史否定の論を海外にばらまく恥ずべき集団の数々です。

このような日本からの動きはさておいて、今回紹介するのは、これに対して、オンタリオの日系移民や日系カナダ人の中で反対する動きと、その反対を批判する動きが出ていることです。

NAJC(全カナダ日系人協会)は昨年12月7日に会長デイビッド・R・ミツイ氏の名前でBill 79に対する反対声明を出しました。反対理由(要約)は、1)外国政府同士の問題でありオンタリオ州とは関係ない;2)誰をも歓迎する開放的なオンタリオ州において、この法案は日系カナダ人社会への憎悪を促進する;3)この法案を通したら、国外で起きた事件について記憶するような同様の主張が堰を切ったように起こるであろう;4)この国の多様な構成員により成し遂げたことを祝うべきである;5)私たちは平和教育についてよく考え、全ての暴力と戦争を拒絶するべきである、とのことです。

NAJCは「カナダにおける17の構成団体を代表する唯一の団体(うちオンタリオは4団体)」と主張し、これが日系カナダ人団体のコンセンサスであるかのような言い方をしていますが、このNAJCの青年グループのメンバー、伊藤レン氏らから異議が上がり、このNAJCによる反対を取り下げることを求めるカウンター声明が出されました。これには、作家のジョイ・コガワ氏、戦時強制収容された日系人が「リドレス」(謝罪・補償)を勝ち取る運動に尽力したロイ・ミキ氏、広島の被爆者であるサーロー節子氏等も賛同しています。私も賛同しました。

このカウンター声明の要旨を言うと、
★外国政府のことだから関係ないというが、NAJCは戦前からの日系人と戦後移住者双方を代表し、外務省を含む日本の機関と緊密に連携してきたのだからこの問題を「外国のもの」とはすることは矛盾している。
★この法案が「不寛容を促進する」とNAJCが主張するのは、ひとつの少数派の主張はもう一つの少数派を犠牲にすることを伴う、といった、どちらかを取るようなゼロサムゲームと見ることである。これは非常に問題のある見方だ。
★「達成を祝うべきだ」(注:過ちを非難するのではなく)とか、「全ての暴力と戦争を拒絶する」(注:特定のものではなく)とか言うのは私たち日系カナダ人が戦時強制収容への補償と謝罪を要求していたときにまさしく受けた、歪んだ非難である。
★日系カナダ人が勝ち取った「リドレス」(戦時収容への謝罪と補償)を思い起こせば、私たちは他者の正義への闘いに連帯する責任があるのだ。日系カナダ人の闘いのときに支持してくれた団体のひとつ、コリアン系カナダ人文化協会(KCCA)はこのBill79を支持している(「慰安婦」の歴史への気持ちを反映しているといえる)。NAJCがKCCAのような、私たちの闘いの時代の仲間を支持できないのであれば、NAJCは正義を求める勢力としての道義的正当性を失うであろう。
★このように、他者の痛みやトラウマと関連する複雑な問題は、まず関係者同士の対話を築かないといけない。しかしNAJCが、対話する相手に対して完全に不当な対立をしている限りはそのような対話を始めることすらできない。

このNAJCへのカウンター声明には、これらの理由から、NAJCのBill 79への反対を取り下げ、「難しくとも必要とされる和解の道にコミットするよう」促しています。

これに、カナダの日本人、日系人、日系社会で活発に活動してきた人たちから賛同を募っています。このフォームで賛同できます。

これについて、トロント在住の日系移民であり、カナダ全国の日系人むけの月刊誌 Nikkei Voice (1987年創刊)の元日本語編集長の田中裕介氏のコメントを以下紹介します。

問題は、B79に対して日系社会の中から、反対する運動が出てきたことで発生した。法案反対の署名運動を展開しているのは、全カナダ日系人協会(NAJC)と、トロントの日系文化会館(JCCC)です。 
日系文化会館は、今回初めて慈善団体の資格を失う恐れも辞せずに関与し出しました。両団体ともに、日系人の第二次大戦時の強制収容体験を引き合いに出しており、NAJCは、B79は、外国の問題である、不寛容を助長する、他国の多くの問題を持ち込ませる結果となる、カナダが多様な民族の集合体であることを祝福すべきだ、暴力や戦争を拒否し平和教育を考えるべきだ、等。 
後者JCCCは、これに加えて、B79は80年も前の問題であり、これまでの日本とオンタリオ州の文化、経済分野での貢献に否定的な影響を与える、カナダはかつて18000人の日系人を迫害した歴史を持っている。ところが、B79は外国の記念日を制度化するものであり、日系人を愚弄(derision)するものだ、等。 
これに対して、NAJCが育ててきたユースグループが、会長を名指しで、それは全く間違っていると、いうならば飼い主に噛み付いた。NAJC会長に宛てた伊藤レンの手紙がそれだ。手紙の内容は、NAJCのB79への反対理由は、正義を求める戦いをしてきた人々を黙らせ、疎外するレトリックだ。迫害された過去の不正義を正す戦いであり、日系人は彼らと一緒になって正義を求める責任があるのだ。この問題が複雑であることは間違いない、まず最初にすべきことは、反対運動に立ち上がることではなく、彼らの代表と対話を持つことではないのか、それゆえ、この反対署名運動は撤回すべきである、等。 
1988年、日系社会はカナダ政府から謝罪と補償を勝ち取るという、これまでの世界の人権、公民権運動にない、初の金字塔を打ち立てました。私が日系新聞の編集者として雇われたのは、その1年後のことでした。 
当時、日系社会はカナダの人権運動の牽引車だと称えられて燃えていました。日系ボイスの編集方針は明快で、人権運動の推進、コミュニティの再興、日系文化の創造、他のエスニック団体の戦いに協力するというものです。 
第一に取り組んだのが、先住民との共同での「大地の霊の祭り」の開催。1991年、ハーバーフロントに三日間で10万人の人を集めました。続いて、中国系、コリア系、フィリピン系、カナダの香港P0W南京虐殺事件、従軍慰安婦問題の解決のための支援でした。 
こういった集会には、必ずNAJCの代表が挨拶に立っていました。
ここで、皆さんにみてもらいたいのは、NAJCはかつては他者の問題に対して、自分たちの体験を踏まえた共鳴感compassionを示し、共闘してきたということです。つまり、人権運動の牽引車として姿勢を示していたということです。この姿勢は、1990年代を通じて続きました。
リドレスから来年で30周年を迎えます。さて、もう一度、B79に対するNAJCの主張を吟味してください。
その文面には、他者の立場に対する共鳴、同情という多民族共生社会には必要欠くべからざる想像力が全くないことに気づいてください。
オンタリオ州議会は、1998年にホロコースト記念日を制定しました。これは、ユダヤ系に対する根深い人種差別に対して政府は断固たる態度を取るぞという決意表明でもあります。
これに対して、ユダヤ系を差別する側から「不寛容を煽るな」という反対運動が起きたでしょうか。
また、Mayor for Peaceを自称するトロント市長は、核兵器に反対し、世界平和に貢献すべく1983年に市庁舎前に平和庭園を造成し、広島の火を灯し、長崎の水を注いで今に至っています。 
私たち、トロント広島長崎原爆記念日連合は、毎年、この平和庭園の前で8月6日に灯篭を各自が作り、池に浮かべて、戦争で犠牲になったあらゆる人への思いを馳せて、平和な世界の樹立を願う集いを続けています。
これに対して、いやあの原爆投下は正しかった、平和集会を止めろと反対運動があったでしょうか。
米国人からの妨害などありませんでした。しかしながら、ここへきて、日本人コミュニティから信じられない挑戦状を突きつけられたのです。
それは、昨年夏のイベントで、平和への思いを込めた言葉を書いた灯篭の中に、「南京虐殺は捏造だ!」、「憲法9条はいらない!」と日英両語で書かれたものがあったのです。(下に写真)
2016年8月6日、トロントで広島長崎を記憶する
灯篭流しでこのようなメッセージを書いた人がいた。
Abolish Article 9! (憲法9条を破棄せよ!)
Nanjing Massacre was fake.(南京大虐殺は嘘だ)
とある。「平和」の催しで信じがたい。

イベント終了後の掃除中にこれが発見され、一度は破り捨てようとしましたが、あまりのことの重大さに、対応を検討すべく、広げて写真におさめたものです。
問題は、毎年この慰霊に参加している戦後移住者のリーダー格の人が得意げにこれを書いていたということです。 
不寛容を煽っているのは、一体どういう人たちなのでしょうか。しかも、戦争犠牲者の慰霊の場であることも全く念頭にない。 
憲法9条を、1946年、当時の日本人たちがどんな思いで制定したのか、80年前の南京市の女学生たちが、農民たちが、殺される直前に経験した恐怖は一体どんな光景だったのか。
あらためて日本の過去を記憶にとどめ、不戦の誓いを他のカナダ人と一緒に、日系人が先頭になって行うことに、何の羞恥の念もためらいも必要ありません。
そして、多民族社会であり、とりわけアジア系が他都市よりも多いオンタリオで、欧州の歴史とアジアの歴史を学び、次世代が平和な未来を築く材料としてほしいと思います。
以上、30年前からトロントで人権運動に関わってきた一人の日本人移民の意見です。
( たなか・ゆうすけ 元日系ボイス・マネージングエディター​ 。
​​現在は日系メディア等に寄稿している。トロント憲法九条の会、広島長崎記念日連合委員、トロント・コリアン映画祭理事。1994年以来トロントで「語りの会」を主宰し、海外にも出張し英語で日本の昔話、アイヌ民話や創作話などをギターの弾き語りをまじえて演じている。1951年札幌市出身。早大卒。当ブログでの田中氏の過去記事はこちらを。)

以上、田中裕介氏のコメントでした。私も深く共感できます。いろいろな意見があるでしょうが、日本軍が行った「慰安婦」や「南京大虐殺」といった残虐行為を記憶し歴史の教訓を次世代に生かそうとする行為に対し、日系人や日本移民が率先して組織的に反対するのは本当に恥ずべきことと思います。

オンタリオ州議会の「南京大虐殺を記念する日」制定への法案、Bill 79への日系人団体の反対を取り下げるよう呼びかける伊藤レン氏のレターへの賛同はこちらのフォームからしてください。(カナダの日系人、日本人、あるいは日系社会に関与している人たちに呼びかけています)。

Peace Philosophy Centre 乗松聡子